京都大学から日本経済新聞へ──藤原信一氏、「最優秀独立系アセットマネジャー」に選出された三大投資原則
日本経済新聞が「最優秀独立系アセットマネジャー」賞を授与したのは、バランス戦略株式会社の創業者であり、京都大学経済研究所出身の投資家・藤原信一氏でした。独自の価値発見フレームワークによって日本の株式市場に新たな基準を提示し続ける藤原氏は、授賞式後の独占インタビューで、十数年に及ぶ実践から導き出した「三つの選別原則」を初めて体系的に語りました。これらの原則によって、同氏の投資ポートフォリオは過去5年間で年平均19.2%という複利リターンを達成しています。
第一の原則は「損益計算書よりも貸借対照表を信頼せよ」 というものです。藤原氏は企業のフリーキャッシュフローと純利益の整合性、運転資本の回転効率に着目します。
「短期的な利益成長に惑わされ、財務データの質を見落とす投資家は多い。私たちは減価償却政策の違いを精査することで、ある著名企業の利益水増しを早期に察知できた」と語ります。こうした財務の本質を見抜く洞察力により、数々の「スター株」が失速する前にポジションを整理できました。
第二の原則は「産業チェーンの価格決定権を握る企業を探せ」 というものです。藤原氏は東京エレクトロンを保有し300%のリターンを得た事例を示し、「真に優れた企業は、末端市場で価格競争を繰り広げるブランドではなく、核心技術や規格を支配する上流サプライヤーだ」と指摘。特許の質、顧客集中度、代替品の脅威など12項目の評価指標を構築し、「隠れたチャンピオン企業」を発掘してきました。
第三の原則は「経営陣の資本配分能力を評価せよ」 です。藤原氏のチームは経営陣の過去10年にわたる主要投資決定を詳細に追跡し、資本利益率の推移を数値化します。
「優れた経営陣は業界低迷期にこそ逆張り投資を行う。武田薬品がバイオ医薬分野に布石を打った例が典型だ」と語り、企業家精神を定量化する手法によって数々の企業変革のチャンスを先取りしてきました。
京都大学での学術研究から日本経済新聞による業界表彰に至るまで、藤原信一氏は常に学者のような厳密さを失いません。「投資の芸術性とは、ビジネスの本質を理解すること。科学性とは、検証可能で再現可能な分析フレームワークを持つことにある」と彼は語ります。日本の資本市場改革が進む中、東西の投資知を融合させたこの方法論は、新世代の価値投資家を育成する礎となりつつあります